こんにちは、希彩はり灸院の古屋です。
皆さんは、病院で「かぜ」と診断されていながら、抗生物質(抗生剤、抗菌薬)を処方されたことはないでしょうか。常日頃、感じていることですが、かぜで抗生物質を処方される患者さんが、本当に多いんです。
「かぜ」とは、その定義は実はあいまいで、学者によって様々です。その中で、名古屋第二赤十字病院 救急・総合内科部長 野口善令先生(医学書院2009年4月投稿)によると、「かぜ」=「鼻汁、鼻閉、咽頭痛(のどの痛み)、咳嗽(せき)、喀痰、(±発熱)を呈する(現す)ウイルス性上気道炎」と定義しています。また、日本呼吸器学会では、「かぜ症候群」として、「その原因の大半はウイルス」であるとしています。
ところが このウイルス、抗生物質は全くの無効です。なぜなら、抗生物質は細菌を殺す薬だからです。
日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」にも、「抗生物質はかぜに直接効くものではない」と明記されています。
なのに何故、「かぜ」で抗生物質が処方されているのかというと、かぜの症状を現していても、その原因は細菌感染かもしれないから、その可能性として念のため、それと体力が落ちたときに細菌に感染して別の病気にかかること(2次感染)を防ぐため、とか。
しかしこれは、原因不明のまま細菌感染の低い可能性にかけて、大多数のウイルス性のかぜに無駄な処方をしていることになります。それとも、全て細菌感染だと考えているのでしょうか。また、少し調べると、2次感染予防には無効というデータもあります。
そして、あってはならないと思うのですが、医者の習性や患者側が欲しがるからということがあるようです。
そうして、無効な抗生物質を服用した場合、「効かない」だけですむ問題ではありません。飲まなかった場合と同じではないんです。まずは、下痢、アレルギーなどの副作用の危険性、大切な常在菌の死滅、体への負担。そして重要なのは「耐性菌」と呼ばれる、抗生物質の効きが弱いか全く効かない細菌の出現、またそれに感染しやすくなるということです。近年、耐性肺炎球菌による肺炎や難治性中耳炎が増加しているそうです。
当然、臨床の場では、抗生物質が有効である場面がたくさんあると思います。そんな、大事なときのために、抗生物質の不必要な服用は避けたいものです。
私は、「かぜ」と診断できる立場ではありません。ここでお話していることは、「かぜ」であれば、ということです。
皆さんが病院を受診し、「かぜ」と言われているにもかかわらず抗生物質が処方されかけたとき、その処方は本当に必要かを医師に問いかけてみてください。
ちなみに私も、親知らずを抜歯したとき、抗生物質を断りました。歯科医は、「細菌感染が心配だよ。」と言っていましたが。一緒に、鎮痛薬もお断り。ただ、その晩は激しく痛かったです が経過は順調、問題なしでした。
【治療院の花 : 7月26日撮影】
かぜを引いたら経絡治療のはり治療を 症状を和らげ、回復が早くなります
希彩はり灸院 古屋公久
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