2014.12.01更新

皆さんこんにちは、希彩はり灸院の古屋です。

今日から12月、今年もいよいよあとわずか1か月となりました。東京では、紅葉がまだ見頃のところもありますが、クリスマスのイルミネーション、お歳暮、年賀状の準備など、年末特有の忙しさが感じられますね。

さて、今回は臨床の現場からお話ししたいと思います。

患者さんの訴えの中でもとても多い症状のひとつ、背中や腰の痛み。初めはこり感だけだったものが、ほぐれることなく張り続けて、痛くなってしまうこともよくあります。

たとえば、30歳代の男性の患者さん。数か月前にはぎっくり腰を起こしていて、激痛が1か月も続いたそうです。来院時にも、その左腰の違和感と、右肩から背中、腰までが張り、痛みを伴っていました。

経絡治療の診察手順で進めていく中、特徴的だったのが腹診したおなかの状態です。おへその少し下から下腹部(腎の診所)がベコッと力無く窪んでいて、一方おへそから上(脾の診所)はポッコリと膨らみ、みぞおちは凹んではいるが、どちらも硬くなっていました。そして、肋骨の際も左に比べて右側(肺の診所)がカサつきもあり、東洋医学でいう気が虚した状態でした。このおなかの状態は、腎虚証を現わしていて、脉診の結果や、ツボの状態とも一致していました。

「腎」とは、成長発育を助け、人が元気に生活するために必要な、基本となるものです。骨や耳、髪、水分代謝、生殖などと関係があり、腎の気が流れる腎経が変動すると、これらの症状や、腰痛、下肢の冷え、立ちくらみ、怖がりなど、様々な症状が考えられます。

この、腎虚証に合わせた治療をすることで、背中と腰のはりと痛みを治す力がつくので、患部を触らなくても症状が改善。続けて、症状に合わせて患部にもはりをしました。鍼治療後、こちらも驚くほど張りが緩み、患者さんも、「軽くなった!」と喜んでいました。

2週間後、腰に違和感が再び現れたので来院しましたが、この間、だいぶ調子が良かったそうです。

みなさんも、秋から寒い冬にかけてご用心くださいね。

  
     【治療院の花】

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     希彩はり灸院 古屋公久

投稿者: 制作管理者

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